2015年2月19日木曜日

ALDOUS




 技術点10、構成点9、芸術点9といったところ。今まで見てきた中でも一二を争う見事なヘソ天だと思う。とあるブティックショップのお店のマネジャーだという人の愛犬で、オルダスという2歳のシベリアンハスキー、毛色にとてもマッチしたオレンジ色のハーネスの「使い古した感」がイケている。スポーティなハーネスに対し、メインに使っているのは細革のロングリードという組み合わせなのもギャップがあってなかなかカッコよく、マネしたコーディネイトだ。

 ・・・と、去年一年間1度も自分用の服を購入しなかった(!)「ファッション」とか「コーディネイト」とは対極にいる存在である管理人が申しております。(しかも「シリコンバレーでは、いつも同じセットのトップスとジーンズを着るのはおかしいことじゃない」とか言って、開き直っている。シリコンバレーに住んでいるわけでもないのに)。




 彼のヘソ天の凄みは持久力にあり。まったく自然なかんじでこの恰好のまま、自分がお店に滞在していた40分ほどの間、ずっとレジ横にひっくり返っていた。その間入れ替わり立ち代わりレジにやってくる人を見ては、「なでてもいいよ・・・?」という感じでシッポをパタパタ、目をパチパチさせていた。犬の社会化、ここに極まれり(笑)。お見事。





2015年2月14日土曜日

WEEK 4+



 せっせとメールを送り合っているブリーダーからのメール。1月に生れた生き物が、ネズミ期を脱して徐々にイヌらしい形態に移行してきているという。そこで、隣の隣の州の山奥まで往復9時間かけて、覗きに行ってきた。見てなるほど!確かに、先週までの様子とは大分違って、あのテカテカ生物がいつの間にか自覚を持ってモゾモゾ歩き回り、小さなブリースティックをカジカジしたりするようになっていた。「犬」まではまだあと一歩だけれど、「これは、つきのわグマの赤ちゃんです」と言われたら、頷けるようなところまでは来ていた。

 今回、どの仔犬を迎えるかの決定プロセスは全てブリーダーに任せようと思っているので、自分は仔犬の頭をなでてやること以外、ほとんどすることがない。そうしようと思った理由は、特定の仔犬に感情的に入れ込んでしまい、それで欠点が見えなくなる事を避けたかったのと、また、自分ではどんなに犬に詳しいつもりでいても、長年その犬種を繁殖しているブリーダーのほうが仔犬のポテンシャルや適正について、ずっと優れた観察眼を持っているはずだと考えたからなのだ。この仔犬達は月末にベースの性格を診断するテストにかけられ、その後晴れてどの仔犬がどの家に行くかが決定される。うちはつい最近、犬を迎えるのに際してとても重要な「家庭の事情」がもう1つ増えたので(そのことについては、いずれ別記したいと思います)それについてもしっかり話し合いをし、また2週間後に来ると約束して、ブリーダー宅を後にした。

 写真は仔犬の足。ずっとモゾモゾ、モゾモゾしていて写真はみんなピンボケになった。まだ一度も外の世界に行ったことのない彼らの肉球は、まさに「穢れを知らない」といったかんじで、ちょっと感動するくらいぷにょぷにょと柔らかかった。連続9時間の運転は辛いと思ったので、仕方なく近くにあったカジノに隣接するホテルをとったら、その横にとてもおいしいヨーロピアンスタイルのチョコレートを売る店を発見した。アメリカの田舎とは基本、非常に退屈な場所だと思うけれど、よく見るとこうして「きらりと光るもの」が隠されていることがある。たまにはそんな宝探しもいいのかもしれない。





2015年2月9日月曜日

LAYLA



 近所を散歩中すごい美人に遭遇したので、お願いして写真を撮らせてもらった。見てわかる可愛さもだけれど、この犬の場合性格も花マルで、可憐そのもので、「レイラみたいな犬を持てて本当によかったね。」と、飼い主のオジサンに自然と賞賛の言葉を口にしていた。「彼女は可愛いだけでなく、何でも分かるし、何でも出来るんだ。」と、犬を褒められた嬉しさで顔のほころびが止まらない、レイラのオジサンだった。

 レイラがオジサンの家に引き取られてくる時、この犬はパピヨンか、パピヨンの雑種であると説明を受けたそうだ。「しかしパピヨンのアイコンであるあの耳がないので、あまりそういう風には見られないね」とも言っていた。そこで、パピヨンは12、3世紀くらいまでさかのぼればもとは垂れ耳の犬種で、現在の立ち耳は歴史的には比較的「モダン」であり、レイラのような耳は、パピヨン(風の犬)としては古典的で自分はかっこいいと思うと、昔どこかで読んだ雑学と共に話した。レイラの耳について「かっこいい」という感想を聞いたのは初めてだというオジサンは、ふんふんと結構真剣に聞いてくれた。ふだんの生活において全く意味をなさないこういうムダ情報だけれど、その真偽はさておき、レイラは今日から「かわいくて、なんでも分かり、なんでも出来て」しかも「古典的パピヨン風の犬」として、より一層オジサンに可愛がられていくのかもしれない。




2015年2月4日水曜日

おかめちゃん

 
 ロボロフスキーハムスターの「おかめちゃん」に一週間ぶりに出会った。
 この家の隠れ住人、3匹のロボハム達は基本夜しか活動しないうえ、季節の変化を肌で感じてか、トンネルの下の家に籠っている時間が非常に長くなって、ほとんどめったに見かけないのだ。いちおう毎日生きてるかだけは確認しようと、「おいしいもの」例えば4等分したブルーベリーとか、種子類や甘いラディッシュなどを一切れ置いておき、次の日なくなっているのを見て「よし生きてるな」という、ふつうの人から見たら「なにが良くて飼ってるの?」と言われそうな付き合いが続いているのだ。しかし普段野生動物に親しんでいる者からすると「気が向けば手に乗ってくれる」という事だけで、とても大きな感動があり、長生きしてほしい大切なペットなのだ。

 そんなロボロフスキーハムスターに関してだけれど、飼育法についてきちんとコンプリートされた日本語のテキストがネット上にあまりない事が気になっていて、以前自前でミニサイトを制作したことがあるのです。どのくらい需要があるかは分かりませんが、一応、リンクをつけておきます。

リンク:ロボロフスキーハムスターの育て方



2015年1月31日土曜日

犬のオーラルケアについて


 北アメリカに引っ越してみて最初に驚いたことのひとつに、この国では歯と口腔の健康が非常に重要視されているということがあった。多くのアメリカ人達がもつ、綺麗に整列した白い歯と健康な歯茎への意識は、アジアから来た者からするとちょっとびっくりするくらい高いのだ。管理人の場合、毎度歯科医院へ定期健診に行くたびに、そこで働く人々による「お口の健康教」の熱心な布教活動が行われた。結果、風呂も歯磨きも嫌いな野生児だった自分が、一日のうち何度も歯磨きや、フロスをするようになってしまっているのだ(それは、よかったと言える)。

 このように口腔ケアについて関心の高い本国だけれど、他にも高いものとして、それにまつわる医療費が挙げられる。そしてそれは、動物の場合も然りなのだ。ある民間保険会社によるとアメリカの獣医師による一回の犬の口腔ケア代は、平均200ドルだという(実際には、ここに診察料など諸々の雑費が加算される)。全身麻酔を伴う大がかりな歯石除去ともなれば、この価格は一回平均1500ドルまで上昇する。犬の一生を通して考えると塵も積もればで、バハマでバカンスできるくらいの費用を、犬の口を掃除することだけに費す計算になる。

 そこで家庭で出来る、日々の口腔ケアの重要性をひしひしと感じてくるわけなんだけれど、
 今までの一般常識を鑑みると、主に;

 ・ 犬にも一日一回、歯磨きを施すこと
 ・ ドライフードを与える事
 ・ デンタルトリーツを与える事

が、犬の歯と口腔の健康を保つために、よいとされてきた。ところが、丁度先日、グレインフリーのドッグフードについて調べていた最中に、個人的に信用のおけると思っているいくつかのウェブにおいて、気になる記述を見つけてしまったのである(ウェブその1その2その3)。それ曰く、犬のドライフードも、デンタルトリーツも、犬の口腔ケアに関して巷で言われているほどの効果は期待できないのだという。

 ドライフードは、歯垢を物理的にこそぎ落とすことは出来るけれど、まず覚えておかねばならない前提として犬はモノを噛むとき、歯をまんべんなく使わず、尖った先の方や、臼歯を重点的に使う。だから小臼歯のあたりだとか、歯周病菌の温床となる歯の根元付近を綺麗にする効果は、そこまで期待できないという。次の問題は、ドライフードを構成する成分だ。ドライフードは、プレミアムレベルでかなり品質の良いものであっても、つなぎとして必ず何らかの炭水化物が使われている。それはグレインフリーの餌であっても同様で、ポテトや、タピオカ粉などが入っている事が普通なのだ。炭水化物は哺乳類にとって手軽なエネルギー源なので、その存在自体は悪い事ではないけれど、問題は、歯周病菌も炭水化物が大好きだという点。犬の口内に残ったそういう微小な食べかすは、短時間で歯垢へと生まれ変わってしまう。

 デンタルトリーツも、上に同じく物理的に歯垢や出来たばかりの歯石を取り除く効果はあるかも知れないけれど、ドライフードと同様の落とし穴がある。デンタルトリーツの多くは、原材料に多くのスターチ(澱粉類)を含んでいる。スターチは、炭水化物である。よってこれまた上に同じく、歯をちょこっと綺麗にすると同時に、また新たな歯垢を作りだす材料を投下してしまうことになるのだ。これはちょっと悲しい。またスターチ類は高グラセミック・インデックス(イヌに対してどのくらい影響があるのかはわからないけれど)なことと、これらのトリーツには人口保存料や着色料が使われている事がふつうなのも、個人的に少し気になるところ。

 じゃあ一般家庭で出来る中では、どうするのが最善なのか?ということで、色々読んでみたものを総合した策を下に書き出してみた。;

 ・ 1日1回の歯磨き、歯茎のマッサージ。歯ブラシより、ガーゼ片などで行う方が良い
 ・ 生食餌か、ドライフード(グレインフリー・プレミアム)を与える。
 ・ できれば一週間に2回、生の肉のついた骨を食べさせる。
    骨の種類は、ニワトリ、ラム、ウサギ、ヤギが適している。

 上にリンクを貼った所の獣医師によれば生の骨の歯垢除去効果はかなり高いそうで、実際知人の1才になるティーカッププードルも、口臭が地獄の様にひどかったのが、餌を生食餌に換え、髄の入った生骨を定期的に与えるようにしたところ、ここしばらくでだいぶ軽減してきた。生骨についての注意点は、必ず犬の体格にあったものを与えるという事。ただ個人の経験上、ヒツジやヤギ以上の大きさの動物の骨は、飲み込むと体格に関係なく消化不良を起こす犬が出てくるので、それらの骨を与える場合は1、2時間飼い主の監督下で噛ませて、ころ合いをみて取り上げる。時に犬の歯よりも硬度のある場合がある、ウシ、ウマ、バッファロー、シカの大きな部位の骨は、まれに犬の歯が欠けることがあるので、気になる人は注意して使うこと。加熱調理済みの骨は、どんなものであっても絶対に与えないこと

 人間でもそうだけれど、歯の健康は一度損なうと治療に多くのコストやストレスを伴うので、そんな機会は少ないに越したことはないな~と思う。但し上に書いたような策を実践したうえでも、半年に1回は獣医師による定期健診を受け、口腔内のチェック・必要であればクリーニングをしてもらうことは必須だということも、念のため覚えておきたい。