2015年6月30日火曜日

「フィックス」すべきか、せざるべきか、

アップルストアにて

 それが問題だ。なんて、えっもう?こないだまでパピーでひょっこひょっこしていたのに、もうそんな感じになっているのか、と、育ての親ながら犬の成長の早さにビックリしている。いや、実際にはまだ足取りもまだおぼつかない(頭脳に至っては完全にパピーのまま)のだけれど、家のイヌ「コディ」は今週に入ってしきりとシッポやオマタの辺を気にして舐めはじめ、ガビガビにしてしまうのを洗ってやっていた所、オシッコでもない、かと言って膿とかそういう感じでもない分泌液が滲んでいたので、そうか、もうそういう時期か、という認識に至ったのだった。いま、5ヶ月と3週目に入った所なので月齢的にも妥当かと思われる(一般的にオスは5ヶ月前後で第二次性徴期を迎えると言われている)。毎日のドッグランでもまだマーキングらしきマーキングはしないものの、オシッコは「なんとなく」複数回に分けてするようになってきたし、ランでも気に入った犬を見つけると積極的にマウンティングもするようになり、時には言っても言っても辞めない時が出てくるなど、行動も子犬時代とはだいぶ変わってきたと感じます。

 オス犬の去勢をする適正な時期に関しては、自分でも色々読んでみたところ専門家の間でも結構意見が分かれる傾向があって、他の若いシェパード犬オーナーと話す時もよく議論になる話題です。以下、色々聞いたり読んだ中で自分的にもある程度納得出来たメリット&デメリットを並べてみると(参考);



 去勢のメリット




 ・オス犬特有の「迷惑行動」-攻撃性、支配性、興奮、過度のマーキング等-を緩和させる

 ・前立腺と精巣関連の病気(特に精巣ガン)に罹患するリスクを下げる ※1

 ・肛門周囲膿瘍に罹患するリスクを下げる ※2

 ・望まれない仔犬の誕生を防ぐ




 ※1未去勢かつ五歳以降のオスのおよそ80%が前立腺肥大に罹患するとされていた。

 ※2肛門周囲膿瘍-肛門近辺に発生する難治性の潰瘍で、アイリッシュセッター、ジャーマンシェパード、

  レオンベルガーは特にかかり易いとされていた。




 去勢のデメリット




 ・肥満のリスクが大幅に上昇する。※1

 ・血管肉腫に罹患するリスクが上昇する ※1

 ・甲状腺機能低下症に罹患するリスクがおよそ3倍に上昇する

 ・認知症に罹患するリスクが上昇する ※2

 ・早すぎる時期に施術が行われると、股関節形成不全、前十字靭帯の断裂、骨肉腫に

罹患するリスクが上昇する ※1




 ※1リスク上昇率に関しては諸説分かれる。

 ※2性ホルモンが健全な脳機能の保持に貢献するという、近年の説による




などなどがあり、去勢するにしても未去勢のままにしても、どちらも一長一短だな、という印象だ。うちの場合でいえば、かかりつけの獣医さんは生後6ヶ月での去勢をすすめている一方、繁殖元のブリーダーからは生後1年まで待つように、と強く勧められているのが主な悩みどころだ。個人的に、犬が完全に成熟するまでは健全なホルモン分泌を抑制するようなことはしたくないけれど、いわゆる問題行動に悩まされるのはわずらわしい。かといって攻撃性、支配性については、去勢することによって「緩和」はするかもしれないけれど、いわゆる「改善」するかといえば答えはNOだと思うし、病気のリスクにしても、去勢云々よりもまず第一にその犬のもつ遺伝的形質に由来すると思っている。そんなわけで、とにかく結論が出しにくいトピックだと感じている。


先月のノーザンバージニア・マガジンで優良デイケアに選出されていたドッグトピア
扉の向こうでは、コディが適正テストを受けている。

 ただ、管理人の暮らすこのアメリカの都市部郊外という環境に限定すると、飼い犬を去勢しない事に看過できないデメリットがひとつだけあることを最近知った。それは未去勢のオスは平穏なソーシャルライフを楽しむことが大変になるという点だ。例えば子犬が未去勢のまま7か月を過ぎると、どこのデイケアやペットホテルでも預かってくれなくなる。だから、飼い主に急用が出来たり、雨の日が続いて犬が家でつまらなそうにしていても、息抜きに気軽にデイケアへ連れて行って他の犬と遊んでストレス発散、などという事は出来なくなる。それならばとプライベートのドッグシッターやドッグウォーカーを雇う場合でも、未去勢でしかも大型犬・超大型犬ともなると請け負ってくれる人を探すのも難しくなるし、価格もそれに合わせて高額になるので、足が遠のくかもしれない。

 さらに、未去勢のオス犬は、街中やドッグランなどでトラブルに巻き込まれるチャンスがかなり上がる。これは全く個人的な経験によるものだけれど、地元のドッグランでもタマタマつきの犬が喧嘩や小競り合いのもとになる場面を幾度となく見かけた。皮肉だったのは、こういう場面で喧嘩をふっかけていくのは去勢済みだが、ドミナントで素行の悪いオス犬の場合が多く、それまで平和に楽しく遊んでいた未去勢オスにとってはとばっちりなケースをよく見た事だ。けれど、ヨーロッパなどと違い一般家庭の犬は去勢・避妊をすることがあたりまえで、「フィックス」された犬達がマジョリティ層を占めるアメリカの環境下では、人々の間では犬のケンカ=未去勢のオスが悪いという安直な図式が成立してしまう傾向にあるように見える。その結果、未去勢オスとその飼い主は(仮に彼らに非はなかったとしても)ランを去らなくてはならなくなることが多い。そんなとき遊び足りなそうに後ろを振り返りながらトボトボ帰っていく犬はすごく可哀想なのだ。こういう出来事が続けば犬にも悪い影響がありそうだし、飼い主の方も、そういう些細なトラブルの積み重ねで、自分の犬を公共の場に連れて行くのがおっくうになってくるようでは良くないと思う。

 ということでうちの犬に関しては、今後は去勢を行う事を前提に「いつが適正な時期か」について、かかりつけの獣医さんや繁殖元のブリーダー、他のベテランシェパードオーナーの人々にもよく話を聞きながら、最善と思える結論を出せるようにしたいと思っている。





2015年6月19日金曜日

園芸店へ




 熱波と共に湿度も70%、時に80%を超え、常にムシムシ・むんむんした日々が続く北バージニア方面、こうも気候がアレだとなかなか日中、外へ出て行こうという気が起こらなくなります。ということで今日はメリーフィールド・ガーデンセンターという園芸店へ、愛犬「コディ」の散歩とトレーニングも兼ねてうろうろし、お茶を濁してきた。




 因みに行く途中の車内でのコディの様子。この犬は周りの車やドライバーを観察するのが好きなんだけれど、最近背が伸びてきていてハッチバック部の天井に頭がつかえるようになってしまった。そんな時よく見ると、天井につけている頭がまっ平なのが分かります。頭頂の毛がフワフワしているので普段はあまり気にならなかったけど、こういうのは「絶壁頭」の一種としてカウントしてもいいんだろうか。因みに自分も後頭部で卓球が出来そうなくらいの絶壁頭なので、勝手に親近感を覚えた。




 日本で食用にされる「ウルイ」の育った姿である「ギボウシ」、アメリカではHostaと言われこの辺りでは人気の園芸草のひとつとなっている。丈夫で日陰でも育つうえ品種もいろいろあるので(地味だけれど花まで咲く)、園芸店には上の写真のようにギボウシコーナーが設けられ、写っているのの3倍くらいの数のバリエーションが展開していた。そういえばうちも去年幾つか買って前庭に植えといたんですが、初年度は野生のシカに根こそぎ食べられてしまい、あっという間に無残な姿となってしまいました。反面今年はまだ食害に会っていないので、犬の尿の匂いが強力なシカよけになるというのは本当なのかもしれない。近隣の皆様、シカにお悩みでしたら、よかったらうちへおいで下さい。優秀なオシッコ製造機(型は写真参照)お貸しします。





    こういうのってなんていうんでしょう。様々な小さな植物を、これまた小さなプランターやガラス瓶に寄せ植えにするものです。日本の盆栽鉢も使えるようで、色々取り揃えてあったけれど、やはり本場のものと比べるとどれも皆すこし高価だなあと思った。


ハオルチアも居ましたよ。これは結構大きい奴。多肉は今回は購入しませんでした。

これは小さいやつ。この園芸店では、これ以外の品種は殆ど見かけないのが残念な所。



 今回とりわけありがたかったのがこちら、サボテン御一行様のテーブルだった。「leave it」のコマンドがこんなに説得力を帯びていた状況は、今までになかったように思う(笑)。最初のコマンドでまともに取り合わなかったコディは鼻の穴にサボテンの針が入ったらしく騒いでいた。いい勉強になったのではないだろうか。





 こんなに瑞々しく柔らかな植物が、荒野で生き残るためにはこんなにトゲだらけにならねばならなかった進化の過程を思うと、感慨深いものがある。日常生活でも、やけにツンツンしている人に出会ったら「サボテンのような人」と思って、彼らのこれまでのハード・ライフに思いを馳せれば、苛立ちも収まる様な気がする(かも)。


エア・プランツもありました。小さいものは特に可愛らしいので、
見るたび家にあるのに足したい気分になるけれどガマン、ガマン。



 温室内は屋内とはいえかなり暖かだったので、自分もコディもものの30分ほどでヘバッてしまった。おかわり自由のポップ・コーンマシンとコーヒーのカウンターを横目にガーデンベル売り場で揺れるベルの音を聞きながら、日本の夏、風鈴の音とスイカの味を思い出していると、コディが帰りたそうに催促してきたので、この日はここで引き上げました。