2015年8月19日水曜日

セラピー犬のクラス



 今朝、ちょっとした奇跡が起こった。家の犬「コディ」が初めて朝のドッグランで転げまわらず水遊びもせず、泥遊びもせず誰かのウンチも踏まず、フサフサなままで公園を後に出来たのだ。ランに集っていた人々にも「コディ、きれいすぎて誰だか分からなかったわ。」と言われたこのイヌをつれて、ついに念願だったドッグランの後商店街に寄り、スタバのコーヒーとデリで朝食を買って帰るという夢の様な時間(笑)を過ごす事が出来た。コディはいつも、ランを去る頃には、砂や泥で揚げる前のフライドチキンみたいになるから連れて歩くのが恥ずかしく、商店街なんて夢のまた夢だったのに・・・。しかし、たったこれだけの事がこんなにも充実感をくれるとは。しあわせとはかくも相対的なものなのか。


あまりの嬉しさに 意味なく記念撮影(むしったお花とともに)。
花はとる、棒状のものは何でも咥えてふりまわす。なぜって?シェパードだから!

フワ~

お花は、食べました。 エへッ。



犬を歩行器の真横に「縦列駐車」させる練習。なかなか上手に出来ない。


 話題その2です。先日、優良家庭犬(CGC)のトレーニングを終えたコディは、そこで教えてくれていたトレーナーの勧めでセラピードッグ・プレップというトレーニングのクラスに編入している。これは将来犬がセラピーワークに従事するための準備をする科目で、この練習を終えると、特定の協会が実施するセラピー犬の選別試験を受ける準備が整い、テストにパスすれば改めて目的別にあった内容のテクニックを学ばせていく、というおおまかな流れになっているとか。

 今までのコディのようすをみていると、自分としてはセラピーというよりかは暫くオビディエンスの練習をさせつつ、機会があれば何らかの補助作業やサーチ&レスキューの方向へ進ませたいな~と、最近うすぼんやりと考えていた。

 しかしこの考えをドッグトレーナーの知人にしたところ、北米における補助犬は特定の個人が自分のニーズに合った犬を育てる(or トレーナーに頼んで育成してもらう)のが一般的だということ、また災害救助やサーチ&レスキューは、まずは犬自身の適性もさることながら、コンスタントな訓練に非常にたくさんの時間を必要とする上、犬の専門性によっては電話一本で遠くの州に出かけなければならない事もあり、普段からかなり時間に余裕&スケジュールに柔軟性のある人でないと難しいとのことだった。小さい子供をかかえながらだと、実質不可能と思われた。

 セラピーワークは本来心身ともに成熟した犬が行うべきものだから、コディのような子犬には時期的にちょっと早すぎる感もある。一方で、練習内容そのものは基礎的なオビディエンスの延長線上のようなものが多く、時間をみつけて少しづつ練習し達成するのもいいのではないかというのが、その知人の話すところだった。それを聞くと残り3週間で正産期に入る身としては、セラピーは比較的とりつきやすい課題のように思えてきたのでした。


PCI ラム・クランチ(左の赤い袋)はアメリカ産・新鮮・肉厚なヒツジの肺を乾かしたおやつで、いちばん良かった。


 ともかくも、もうすぐ人間の新生児を育てるという一大事もあり、気がかりな事は多々あるけれど、最も気がかりなのが子が生まれた後の1・2週間のあいだ、犬を預けなければならない事である。今まで練習も兼ねてデイケアには何度も入れていたけれど、ボーディング(お泊り)となると勝手が違って、上手く頑張ってくれるかとても気になる。とりあえず、いつ来るか分からないお泊りの日の為に、「コディ君バッグ」の準備にとりかかった。ドライフードはとりあえず2袋、サプリメント類と、ふだん使っているタオルを沢山用意した(その他の必需品についてはASPCAのペットの避難用マニュアルが、盲点をつぶすのにところどころで役に立ちました)。

 支度の途中でコディが預け先で寂しく泣いている様子を想像し、かわいそうになって、おやつを買いすぎてしまった。実際は芝生の青々とした山すその農家の一角で他の犬達と一緒にワイワイ出来る寄宿舎を予定しているので、そんな展開にはならないと信じている。いや、こればかりは相性もあるので実際に行ってみないと分からないかな。気になるから、やはり事前に一度自分で見に行かなくては。こういう事も含めて、やることが山積しています。




2015年8月9日日曜日

二度目の恐怖期?

外でたくさん運動して、シャワーも浴びて餌も食べ、これから午後まで昼寝。平和な時間。

 家の犬「コディ」は生後七か月目を迎え、時々ふと大人っぽい表情をのぞかせるようになった気がします。好奇心いっぱいの眼差しで、自分の後をどこでもついて回り(時に風呂やトイレの中まで)、いつもこちらの様子を伺っているのを見ると可愛らしく、「いつまでもパピーちゃんでいてくれたらいいのになあ」と思う反面、本当に活発で日々三度の散歩にドロドロになるまで転げまわって遊び、絶え間のない躾の努力、ひっきりなしの掃除と洗濯、ドッグランやデイケアへ連れて行けばその「おみやげ」に、やれ鼻づまりだ、下痢だと気をもむことも多く、「はやく大きくなって落ち着いてくれ」と思う時もあります。成長とともに、その時々で良い事と悪い事があるんですね。人間とおんなじか。禍福は糾える縄の如しってやつなのだろうか(ちょっと違う?)。




 そういえば、AKCから封書が届きました。前回のブログに書いた、優良家庭犬(CGC)の認定証でした。バンダナやタグなども、申請すれば名前入りで作ってもらえるようです。愛犬家を相手においしいビジネスだなあ、と思いながらも、ついつい無意識にパンフレットを手に取り、「このタグかっこいいな」「ワッペンも欲しいな」とか、考えてしまっている自分がいる。




 話題その2。人影疎らな月曜日の昼過ぎ、バージニア州の北端にあるセネカ広域公園で軽くトレッキングをしてきました。この公園は有名なグレートフォールズ国立公園と地理的に非常に近いにも関わらず、ほとんど地元民しか訪れることのない公園で、その広々したサイズや、丘陵と水場の連なる地形、ほどよい人けのなさも手伝って、犬飼いにとっては北バージニアの隠れた名所と言えるんではないかと思っている場所です。


不審な物音がないか聞き耳をたてる。

コディはここで久しぶりに「オフリードで知らない人とすれ違う」という状況になったのですが、ほんの数週間前ならシッポ高速回転しながら喜び勇んで飛びつきに行っていただろう所を、今回はまったく無視する様子を見せました。コディの、外界や知らない人に対する警戒心が増していると確信した出来事でした。というのもこの丁度数日前にも、コディはたまたま足を運んだ街の広場で遠くに見えた犬に対して、警戒して吠えていたのです。また別の日には日暮れのドッグランの暗がりで遊んでいる(手を広げてバタバタしている)子供に向かって吠えた事もあり、今まで見せた事のないそのような行動に、もしかして新たな「恐怖期」に入ったのかな、と思っていたためです。


ポトマック川の支流で遊ぶコディ。ちょうど州境に位置するこの公園、
自分の立っている陸場(手前)までがバージニアで、この水場から南はメリーランド州になる。

イヌの「恐怖期」といえば子犬時代、一般的に生後8週から10週なかば頃の間に訪れるものがよく知られていますが、最近では個体が完全に成熟するまでに少なくとも3回の恐怖期があるという説が、自分の周囲のトレーナーやベテランオーナー達の間で支持されています。その厳密な時期については人によって意見が異なるものの、6ヶ月から14か月のあいだに2回目が、12から16ヶ月の間のどこかで3回目の恐怖期が来るというのが、聞いていて大多数の意見だと感じます。

 肝心な対処法といえばこれまた十人十色で、コレといった決定的な乗り切り方というのが無いのが悩ましいんですが、ひとつだけ共通しているアドバイスとして、「恐怖・拒絶反応を起こしている犬をなだめない」というものがありました。怖がったり訝しんでいる自分の犬に声をかけて安心させてやろうとすること(小型犬なら胸に抱き上げて撫でてやったり)は、自分達人間からすればとても自然な行動ですが、イヌにとってみれば外界に対する警戒心や、敵愾心を飼い主によって強力に後押しされたことになり、これがあとでいわゆる「問題行動」となって帰ってくることが多いためです。


ある日の「修行場」での光景。体重は40キロを超え、いつの間にか力もちになって、
こんなに大きな枝も運べるようになった

 コディの場合、警戒心から注意が逸れそうになったらすぐにオモチャか木の枝を見せて、「遊び」の方向にもっていって忘れさせる、という方法を試しています。このやり方が正しいのかは分からないけれど、何回か「トッテコイ」をさせ終わる頃には勝手に「警戒モード」が解除されていることが多いので、暫く続けてみようと思っています。ただ、この作戦は街中では使えないのと、そういう時オモチャのかわりとなる「警戒心を忘れさせるほど価値のあるオヤツ(=ジューシーなチキンなど)」というのを常に持ち歩くのは難しいのが、非常に悩ましい点です。


幼馴染のデビちゃん、ラブラドールのライリーと。

話題その3。相変わらず、毎朝のドッグラン通いも続いています。ドッグランという場所には、頻繁に通っているとそこにいる人々の間に独特の連帯感というか、コミュニティが形成していると感じる瞬間があります。皆愛犬を連れていると、自然と私的で、おたがい一段親密になったような感覚に陥るのかも知れません。だから話題も犬のしつけや餌の話から、どの乳酸菌がいいとかいうフランクなおしゃべりに始まり、「今の仕事をやめるべきか」とか、失恋の話、パートナーが癌になった事、など気付けば非常にパーソナルな会話になっていることがあります。コディの幼馴染、オーストラリアンシェパードのデビちゃんの飼い主も、今朝は持ってきたお茶をすすりながら、生粋の南ベトナム人である彼の父が、ベトナム戦争で砲弾の飛び交う中をべトコンと戦い、最後は小さな釣り船に乗って、命からがらアメリカへ亡命した話をしてくれました。アメリカという国は、一見マッチョで単調な国に見えますが、そこに住む人々の歴史も含めた驚くべき多様性には、ほとんど毎日ハッとさせられます。


ブラック・アンド・タンクラブ、別名「ばっちい子犬の会」
ロットワイラーミックスのサーシャ、ボースロンのブレイクビー。気が合う3匹。

活発なコリーの女の子、ビアトリクスはコディの事が好き。
「デビちゃんには言わないでね!」

ランによく来る、ダウン症の子がボールを投げてくれるのをじーっと待っているコディ。
「ボールを追いかけるコディ」を追いかけたくて、これまた辛抱強く待つブラックシェパードのガンナー。

帰宅後。