2017年9月30日土曜日

秋の気配

バージニア州 ミドルバーグ

 そこここに小さい秋の気配が漂う季節となりました。今月からコディは隣町にある、セラピー犬・介助犬を専門にトレーニングしている学校に行っています。例の如く子供の寝かしつけだけ相方に頼んで、暗い高速をさらに郊外の方へ飛ばして行くので、ちょっとしたアドベンチャー感があり良い息抜きになっています。少しブランクがあるから、手始めにコミュニティー・ケーナインのクラスから(AKC-Community Canines - CGCA Web)。

 このクラスは内容的にはCGCのもうひとつ上のレベルという扱いなようで、最後のテストに通れればタイトルももらるようです(AKCのビジネスの上手さ)。レクチャーは屋外で、毎回ロケーションを変えながら行われます。コディはCGCをとってから2年以上が経過しているので、以前と比較して良くなった部分・知らず知らずのうちについた悪い癖などが浮き彫りになっていて、いろいろ勉強になってます。

 クラスメイトに、巨大なオスのハンガリアン・クーヴァースがいるんですよ。今まで見たクーヴァースの中で一番きちんとしつけが入っていて、いいブリーディング、飼い主の正しいハンドリング(訓練+社会化いっぱい)で、コワモテの護羊犬種でもこんなにマナー良く愛される犬になるんだと、非常に感銘を受けました。


☝ついったーに上げた写真☝


 「ちいさいにんげん」と犬の共存関係もめでたく2年目を迎えました。

 しかしここへ来てついに、犬と子供の面倒を同時に見ていく事に限界が訪れたように思います。娘が赤子として「母親と犬」のチームにくっついていた時期が終わり、自我の芽生えつつあるヒトの子供として、ヒト同士の世界を探検していくことの方により興味を示してきたからです。これ自体はとてもいい傾向なので、色々な経験が出来る様頑張っていますが、問題は言語やソーシャルスキルなど、子供にとって大事な事を学べるような場所には、犬は連れて行けない事が殆どだということです。子供のケアに集中するため、犬を家に置いていくことも少しずつ増えてきました。

 また人間の子供と犬とでは、身体能力や、興味をもつ運動の傾向もぜんぜん違います。今までは子をベビーカーに座らせ、ちょっとおとなしくしてもらっている間に犬にとってこいをさせたり、子を背中にしょって雑木林へ連れて行ったりすることで、なんとか両者共に運動(的な)アクティビティが出来ていました。けれど今は子も「自分で歩きたい」「ボール投げしたい」と言うし、それをさせてあげると今度は犬をヒモでつながなくてはいけなくなったりと、両者を同時に満足させてあげることが徐々に難しくなりました。

 ここからの1年は、朝から晩まで子と共に居られる最後の1年間になるので、自分や犬の生活の質をなるべく落とさずに「子供の社会化」も頑張れるよう、全力を出していこうと気持ちを新たにしました。


3月から少しずつ仕事的なことも再開してます。
そこからの眺めと、座る位置近衛門(オモチャ持参)

2017年8月31日木曜日

オナモミ犬



 今日の写真は、すこし前に義父母がバージニアに遊びに来てくれた時のものです。コディはゴールキーパー役が得意で、本物の人間のキーパーみたいな動きをするので、サッカー好きの義父は大喜びでした。

 写っているオレンジのボールはキャッチボールグッズで有名なChuckit!という会社の「キックフェッチボール」で、今、コディの中ですごくブームになっているおもちゃです。人間のサッカーボールと同じ大きさで蹴りやすくて、軽量でよく弾むので、犬も人も一緒に遊べます。咥え易い形に加工してあるので犬に優しい反面、破壊されやすいのが難点ですが、遊ぶときだけ出してやることになるためよけいプレミアがついて、夢中になってしまうようです。とってこいが好きな犬と、球技が好きなドッグオーナーにはお勧めです。


オナモミ犬


 コディは相変わらずオナモミのようにひっつき虫で、必死な目でどこでもついて回ります。まわりの人に「この犬はお母さんの事しか考えてないね~。」とよく笑われるのでたまに少し恥ずかしいですが、この心理的近さのおかげで、おそらく彼にとってはた迷惑だろうトリック(持来とか)の練習にも根気よく付き合ってくれてるのではないかと思います。

 反面、いつの間にか「にんげん♂」の言う事は全く聞かなくなっていたことが発覚しました。「にんげん♂」とコディの付き合い方を観察していたら、基本的に犬に報酬をあまりやらないため、イヌの心をつかめてないのが原因のようです。わけは何であれ、犬が家庭の特定の家族の言う事しか聞かないのでは良き家庭犬と言う事は出来ないので、こまめに時間をみつけて練習してもらい、信頼関係を再構築してもらいたいと思います。


私とコディに共通する事……安定感のあるどっしりした姿(笑)


2017年7月31日月曜日

人生に効く薬



 コディは2歳半をすぎ、体高がだいたい73センチくらい、体重は最近少ししぼって、55キロ位となりました。2年前と比べると随分と大きくなりましたが、ほかの兄弟は60キロオーバーの犬もいるみたいなので、たぶん同胎犬の中では小さい方なのかもしれません。挨拶の仕方や愛情表現はまだまだ子犬のそれで、所謂とっちゃんぼうやみたいな感じになっていますが、とてもかわいいので(親バカ)どこへ行っても撫で撫でしてもらえます。




 犬が2歳すぎたと同時に、「小さいにんげん」育ても、もうすぐ2年になります。この2年間は本当にいろいろなことがあった。子供の世話も、犬の世話も、仕事も、自分のやりたいことも、限られた時間に全て詰め込もうとして、いつも体力の限界を試されていました。子が生まれたら変わるだろうと思っていた「子供の相手が不得意」という性格は、結局なにも変わらず(笑)ただ漠然と「解放されたいなあ」と思う事も今でもよくあります。

 写真で見れば、「きっとあとで宝物になるだろう」と思える日々です。だけど自分は愚かな人間なので、今まさに起こっているであろう幸福を、今感じ取ること・享受する事が出来にくいようです。そういうタイプの人にとって、この世界の幸福とは、いつも振り返った過去の中に見えるものです。だから、撫でるだけ&じっと見つめるだけとか、ペロッと舐めてもらうだけでごく自然に、インスタントに幸福を感じさせてくれる犬の存在は、私にとって家にとって、無くてはならない大切な存在だと言えます。



2017年2月28日火曜日

コディ、2歳



 3月になりました。季節外れの吹雪が舞い、毎年楽しみにしている前庭のスター・マグノリア(シデコブシ)の開花したての花と蕾を軒並み枯らしてしまって、がっかりしている「わし」です。北バージニアは今冬は天候が読みにくくて、このコブシの木だけでなく、本来3月中のはずのアカガエルの繁殖行動が2月にあったり、桜の開花時期が安定しなかったり、スノウドロップ(マツユキソウ)もバラバラに咲いたりと、自然の生物達もだいぶ混乱しているように見受けられました。


2016年9月30日金曜日

夏が過ぎ~



 風あざみ~、と昭和人間のカラオケ意欲が刺激される時分となりました。暑かった季節が過ぎてようやっとブログに何かを書く気力が復活してきたわしです。例の「小さいにんげん」がハイハイを飛ばして突然歩き始めるというトリプルC技を見せてくれたため、ここ三か月ほどの間は毎日の子の監視(お世話ではなく見張るという雰囲気)、イヌの世話と家事・労働の反復横飛びでただただ過ぎ去っていく体となっていました。

 犬のコディはと言えば、あいかわらず朝は自由運動、夜は日がかげる頃にドッグランへ遊びに行く毎日を過ごし、飼い主とは反比例的に元気全開にしています。雑木林の傾斜で、体重10キロほどに成長した赤子をしょって汗だくの自分の前を颯爽と駆けていく後姿を見るたびに、ヒトよりずっと体力のある犬が赤ちゃんを背負うべきでは?と何度黙想したことでしょう。

 雑木林の中ではシカを追いかけるゲームが犬的にトレンディなようです。面白かったのが、自分がシカを見つけた時(大抵犬より先に見つける)、そちらの方向を向いて静かに突っ立っているようにしたところ、静止した飼い主の目線の方向→シカという図式を2回で完全に分かった様子だったことです。

 コディは新しいものを覚える時、題材にもよるけれど大抵平均5~8回ほど繰り返さないと理解しないので、2回というのは記録的に速く、「林のシカ」という題材がいかに強烈な刺激物か、彼の生活の中で重要視されているのかが分かったようで、面白かった出来事でした。




 ドッグランでも面白かった事がありました。先日遊んでいた時にたまたま地域の新聞取材が来ていて「にんげん♂」とコディが写真を撮ってもらったことです。短いインタビューも受けましたが、写真が使われるなんて考えもせずすっかり忘れていたところ、しばらくしてお隣さんから「あなた達、今週の新聞の表紙になってるわよ。」と言われ例の写真が1面にバーンと載っているのを見た時は本当にたまげました(インタビューされた内容もばっちし紙面を割いて載せてくれていました)。

 アメリカの新聞は、題材が人間の場合記事の書き出しが名前→その人の身分→人物の概要みたいな感じになるのが定型ですが、イヌの場合もそうなんだ(コディ→CGC→ドッグラン大好き)と分かり、へーっと思った出来事です。






 ここ三か月ほどの間はトレーニングクラスをとる元気が出なかったので、家で細々と今までの復習やトリック「ものを咥える練習」などを続けていました。(ユーチューブの黒枠右下にある5つのアイコンの左端「字幕」を押すとキャプションが出ます)

 ものを咥える練習はちょっとずつ進歩してきていて、サイクリストや他の犬も通る野外の空き地でダンベルを持ち歩いたり、咥えたまま立つ→すわる→ふせ→すわる→つけなど、少しずつ複雑な動きが出来るようになってきました。全体で見ると詰めが甘々ですが、なるべくやる気を維持する方向で、少しでも出来たらどんどん報酬をあげるようにしています。

 はじめは物を咥えるという行動そのものにすごく警戒していた事を考えるとだいぶ上達したように思うし、何かを咥えて適正な力かげんで保定するというのは犬にとっては結構神経を使うようで、頭も体も同時に鍛えられていいかんじだと、自画自賛しています。

 次のステップとしては、クリッカーを使って一つ一つの動きを正確にして(今まではアナログな教え方をしていた)、それが出来たらダンベルを咥えて障害物を飛んで戻ってこられるようにしてみたいです。あと、できれば報酬をタグトイに変えたい。けどこれは難しいかもしれないと半分諦めています。色々手を変え品を変え試してみましたが、コディは私とものを取り合いたいというモチベーションが殆どないので、難しいと感じました。

 モチベという点ではコディはトリックの練習などに関するモチベ―ションも全体的に低いです。先日しびれを切らして「おめさん、シェパードなのに何もしないなあ」と口走った所、口を開けてお饅頭の様な顔をして、ニヤニヤしていました(全てが許される犬のあの顔)。前にもうんちくを書いた通り、犬の作業欲求が低い事は家庭犬としてはぜんぜん悪い事じゃない(むしろ好ましい)と思いつつも、少し残念です。



道行く人に「クマちゃんみたい」と言われ、撫でられることが多い


 上はコディが家族に加わってから初めてバージニアに遊びに来てくれた義父母と一緒にグレートフォールズ公園へ歩きに行った時の写真。今回の彼らの滞在では、自分にとって、今まで犬に色々教えてきたことが実を結んだと感じた瞬間が結構あって嬉しかった。